2017.11.25 お歳暮のいわれと贈答マナー|暮らしの歳時記~今さら聞けないマナーと常識~
贈り先は、両親、親戚、先輩や上司、得意先、仲人、習い事の先生など。ただし、社員同士の贈答を禁じる勤務先や公務員の場合は、先方に迷惑をかけることもあるので、配慮が必要です。
子どもの学校の先生も、保護者からの贈り物はいっさい受け取らない傾向にあります。公立では送り返すという規定のところもあり、贈ることで多大な迷惑と手間をかけてしまいます。どうしてもお礼をしたいなら、卒業後に行うのがよいでしょう。
なお、お歳暮は祝い事ではないので、先方やこちらが喪中でも贈ってかまいません。ただ、四十九日の忌明け前や、相手が非常に気落ちしているような場合は、時期をずらして「寒中見舞い」として贈るとよいでしょう。その場合は紅白の水引をつけずに、無地短冊を使います。「お年賀」はNGです。
お歳暮を贈る時期は、12月初旬から20日頃までが一般的です。お歳暮には「一年の締めくくり」という意味もあり、季節感が重視される贈り物です。それよりも遅れたら、年明けに「お年賀」や「寒中見舞い」として贈るのがマナーです。
1年間の感謝を込めて贈るものなので、価格は3000円~5000円くらいと、お中元よりやや高めの場合が多いようです。また、お中元を省略してお歳暮だけ贈る方法もあります。
人気が高いのは、やはり食品や実用品。お正月食品としてお酒、ハム・ソーセージ類、新巻き鮭、かずのこなどの海産物、のりなどがよく用いられます。季節的に、毛布や入浴剤など、あたたかみのある品もよいでしょう。
この他に、「自分の目で選んだ品」という気持ちが込められる産地直送品や土地の名物、相手が好きなものを選べるカタログギフトなども人気が高いです。
年末年始は、帰省や旅行で留守にする家庭も多いので、生鮮食料品を贈るときは事前に先方に確かめた方が安心です。なお、相手が仕事関係者であっても、通常は自宅にお送りします。会社あてに贈るときは、個別包装のお菓子やジュースなど、職場で分けられるものを選ぶのがよいでしょう。
お歳暮は、双方の関係が変わらない限り贈り続けるのが基本です。特別にお世話になったなどの理由で贈りたい場合は、のしを「御礼」にするとよいでしょう。中にお礼状などを同封すれば、「お歳暮」として贈っても先方に気持ちは伝わります。
「伝統の作法と最新マナー 冠婚葬祭常識辞典」、「子連れのマナー&おつきあい大正解BOOK」(ともに主婦の友社刊)より