2018.04.06

春の行楽|暮らしの歳時記~今さら聞けないマナーと常識~

草木の新緑が目に鮮やかで、季節の花も次々と開花、水もぬるむ春たけなわの4月の到来。月末からはゴールデンウィークも始まります。お花見を楽しんだり、お弁当を持って山や海へピクニックへ出かけたり。季節を感じる自然の中で春の行楽を満喫しましょう。

山遊び

昔、山にいると考えられていた神様は、春になると山から下りてきて田の神様になったといわれました。人々が神様をお迎えするために山に入って心身を清めたのが山遊びの始まりといわれています。また、農作業が始まる前に、家を離れて過ごす「神祭り」が起源という説も。昔の人たちも鳥たちのさえずりを聴きながら、野山で美味しいものを食べて、草花遊びやお花見を楽しんでいたのです。新緑の中をハイキングもおすすめです。澄んだ山の空気の中で「森林浴」さながらに心もリフレッシュしましょう。

磯遊び

磯祭り、海行き、浜降(はまおり)とも呼ばれ、各地でさまざまなしきたりもある磯遊び。現在の「潮干狩り」も起源はこの磯遊びと言われています。漁業を営む人々にとっては、本格的な漁が始まる前に海に入って心身を清めたのが磯遊び、という説もあります。お弁当を持ってピクニック気分で海に出かけるのも愉しいものです。

お花見の起源

厄をはらいに山野へ出かける風習があった昔は、桜の開花ぐあいを見てその年の作柄を占ったともいわれ、当時は豊作を願う祈りの行事のひとつでした。時が移り平安・奈良時代には貴族たちの間で花を見て歌を詠むことが流行となり、これが江戸時代には庶民にも広がり、現在のようなお花見スタイルになったといわれています。

もとは「梅」だった

今日ではお花見といえば桜ですが、奈良時代のお花見とは中国から伝わった梅をさしていました。万葉集には梅を題材にした和歌が多く詠まれ、当時の貴族が梅を愛でていたことがわかります。平安時代になると花見の対象は梅から桜へと変わり、貴族たちは邸内に桜を植えることが大流行。豊臣秀吉が京都の醍醐寺で約1300人を従えて行った「醍醐の花見」も有名です。

「桜前線」ってなに?

日本各地の桜の開花予想日を線で結んだもので、天気図の前線のように見えることからこう呼ばれるように。よく耳にする「桜前線北上中」とは桜の開花が日本列島を南から北に進んでいる様子です。ちなみに、気象庁では、おもにソメイヨシノが観察の対象になっていて、標本木とする桜に5~6輪以上の花が咲いたら「開花宣言」を出します。

ソメイヨシノが危機を迎えている!?

現在日本で見られる約8割以上の桜、ソメイヨシノはおもに鑑賞を目的として江戸時代に生まれた園芸種。「接ぎ木」など人の手をかけないと増やすことができない桜です。ところが近年、全国のソメイヨシノが病気などで弱ってきています。お花見で人が地面を踏み固めることで、根が養分をうまく吸えなくなるうえに、空気汚染などの環境の悪化、病害虫など複合的な理由があるとされています。春の訪れを感じさせてくれる桜を、大切に守りたいものです。

花の命は短くて・・・・

種類やその時々の天候にもよりますが、桜の花の見ごろは約2週間。「咲いた!」と思っているとすぐに桜吹雪に。はらはらと散っていく桜の花びらにもまた風情があるものです。同じ桜でも花の表情は毎年変わるといいます。同じ場所で毎年比べてみるのも楽しいですね。

知っておきたい、美しい言葉

昔から桜を愛した日本人は、さまざまな言葉で桜を表現しました。例えば、花びらが風に舞う様子をさす「桜吹雪」。水面に映った桜を「桜影」。お花見は「桜狩り」。夜、満開の桜がぼんやりと明るい様子をさす「桜あかり」。水に浮かんだ桜の花びらをさす「花筏」などなど。情緒あふれる桜の言葉、調べてみるとお花見が一層楽しくなります。

行楽弁当

行楽に欠かせないお弁当は、デパ地下などでも目移りするほど様々な選択肢がありますが、家庭で手作りのお弁当を用意して持参するのも楽しいものです。メニューはおにぎり、いなり寿司、サンドイッチが圧倒的に人気ですが、ちらし寿司や、さまざまなオードブルを詰め合わせたお弁当など、好みや出かけるメンバーによってアレンジしてみましょう。

ブランケットなどの支度も

この季節、昼間は暖かくても、夕方近くから急に冷え込むこともあります。防寒用にひざ掛けやブランケットを何枚か用意しておくとよいでしょう。はおったり、巻いたり、いろいろに使えてとても便利です。敷物はビニールシートが定番ですが、お花見の場合は実はNG。根を張る桜が呼吸困難になるのだそうです。桜にもやさしい、ござを用意すると完璧です。桜の根を傷つけないように、根が見えている部分には座らないようにするのもマナーです。

マナーを守って楽しむ

ピクニックやお花見で、楽しさのあまり舞い上がってはしゃぎすぎるのは考えもの。他の人も楽しく過ごせるよう、大騒ぎは禁物です。帰る際にゴミを持ち帰るのは基本中の基本。あらかじめゴミ袋などを用意するなど忘れずに。

 

 

 

 

「日本の行事を楽しむ12カ月 くらしの歳時記」(主婦の友社刊)より

 


RANKING ARTICLE